2013に自作したLandgraff Dynamic Overdrive
モディファイその3
前回までのモディファイでクリッパーの切り替えを
1. LED対称 Marshal Mode
2. 2N7000とBAT41の対称 Zendrive Mode
3. 1N4001-2本と4148-1本の非対称 TS Mode
に改造した
「Zendriveのクリッパ実験」で吟味したクリッパ回路だけに、好みのサウンドにぐっと近づいた
さらに欲が出てくる
どんどん好みに近づいていくと、さらに欲が出てくる
すごく高いHigh成分、きらりとした超高音がもうちょっと欲しい。かといって耳にうるさいのは困る
もう少しLowの太い感じがあってもいい
回路図
松美庵さんから拝借しました
改造-先ずは高音部
R9(1k)とC7(0.22u)でLPF(ローパスフィルター)が形成されていて、ここで信号はハイカットされている
カットオフ周波数は723Hz
もうちょっと周波数を上げればHigh成分が上がって来る
C7(0.22u)を0.1uあたりに変更するモディファイは例があるようだ
0.1uにするとカットオフ周波数は1591Hz
試しにC7を0.1uに変更するとめっちゃHighが強調される
いろいろ試したところ、0.1+0.047の0.147あたりが、私の好み的にちょうどいい感じがした
AVXのコンデンサー(生産終了)0.1uとEROの0.047uを抱き合わせてハンダ付け
これはフォルムもいい感じ
ちなみにこの定数でカットオフ周波数は1082Hz
次は低音部の調節
R6(1k)とC4(0.22u)でHPF(ハイパスフィルター)が形成されていて、つまりは、ローカットされている
ここでのカットオフ周波数は723Hz
ちなみに
この増幅部でのカットオフ周波数は、720Hzあたりというのが伝統の様で、元祖BOSS SD-1やIbanez TS9、後発のBOSS SD-1、Maxonの808もすべて同じく720Hzあたり
超元祖MXRのDistortion+ でも(帰還にクリッパが入っていないが)このフィルターのローカット定数を720Hzに設定している
この720Hzのポイントの禁を侵すと、どこか他の部分で修正しないといけないのか?
C4(0.22u)を0.33 や0.47にするとLowが上がって来る
上げ過ぎるとブーミーになってしまう
とりあえずは0.33 あたりでよしとした
パーツも厳選した。PanasonicのECQE2
PanasonicのECQE2は図体がでかいので、小さくまとめたいエフェクターなどには向かない
が、音の傾向として、減らない感じ?がして好きだ
R6(1k)とC4(0.33u)でカットオフ周波数は482Hzあたりになった
C7を少し上げたせいか、C4で増えたLow成分もそんなブーミーには感じない
ICの隣のあずき色
あずき色のでかいコンデンサーがECQE2
もう少し微調整はできないか?と、Tone周りの定数もいろいろ試してみたが、あんまり有用なアイデアはなかった
この回路
オペアンプの増幅段で720Hz以下をローカットして、その後720Hz以上をハイカットしているという、オーディオ的にはむちゃくちゃな回路なんだということが分る
そのむちゃくちゃな回路?でいい音が出るなんて、エレキギターってつくづく不思議な楽器だと思う
今回の改造によって、ほんの少しだけレンジが広くなった事になるが、結果はどうなのだろう
オペアンプICも4558に戻した。この回路は4558を前提でデザインされている感じがする
でかい音でアンサンブルで鳴らさないと結論は出ないが、いい感じではないか?と思う
当分このセッティングで試してみよう
いつものように、基板は適当なアクリル板にグルーガンで絶縁処理
マニアックな話、最後までお付き合いありがとうございました。